はじめに
一戸建てと違って、マンションなどの集合住宅では「水の安全性」に疑問を持つ方も多いようです。
「貯水槽が古くなっていない?」「下の階の水と上の階の水は同じ?」「錆びた水が出てきたけど大丈夫?」といった声も聞かれます。
今回は、マンションの水道水の安全性やリスク、正しい対処法について詳しく解説します。

ねえ、うちのマンションの水って本当に安全なのかな?
貯水槽があるって聞いてちょっと心配で…。



良い質問だね!貯水槽のあるマンションの水はね、水道から来た安全な水が一度“貯水槽”に溜められてから各部屋に配られるんだよ。
水道水の供給の仕組み(戸建てとマンションの違い)
日本の水道水は、水道局から配水され、各家庭に供給されますが、マンションなどの高層建築物の場合は、以下のような特有の設備が関与します。
一般的な構造:
1. 受水槽(1階付近)に水道局の水を一時貯水
2. 高架水槽(屋上)または加圧ポンプを使って各階に配水
3. 各部屋に給水される



でも、その貯水槽って管理されてないと汚れたりするんじゃないの?



そのとおり!受水槽や高架水槽が古くなってたり、蓋が壊れてたり、清掃がされてないと、細菌が繁殖したり、小動物が入ったりすることもあるんだ。
問題点:貯水槽の汚れ・劣化・管理不備
国や自治体も注意喚起しているのが「受水槽・高架水槽の劣化や管理不備」です。
- 厚生労働省の指針(簡易専用水道)
貯水容量が10m³を超える場合は「簡易専用水道」として年1回以上の清掃が義務付けられています。
ただし、10m³未満の場合は清掃義務がないため、管理が甘くなる傾向も…。 - トラブルの事例(NHK・新聞報道より)
・高架水槽の蓋が壊れて小動物が侵入
・タンクの老朽化による錆び水の流出
・定期清掃されず、藻や汚れの蓄積
こうしたトラブルは、見た目では分からないまま飲んでしまう可能性もあります。



うわぁ、それって結構怖いかも…。
知らないうちに飲んでる可能性もあるの?



可能性はゼロじゃないよ。でもね、10m³以上の受水槽があるマンションなら、年に1回以上の清掃が法律で義務付けられているんだ。小規模なマンションだとその義務がないから、管理組合がちゃんとやってるかがカギだね!



じゃあ、私たち住人ができることってあるの?



もちろん!清掃記録を管理組合に確認したり、水に違和感があったら報告したり、それから家庭用の浄水器を設置するのも安心材料のひとつだよ。



ご近所さんが、うちのマンションは水が美味しくないからミネラルウォーターをわざわざお取り寄せしてるんだって。



水道管から直接宅内に引き込まれる戸建てと違って、貯水槽で貯められてから配られるマンションでは水が美味しくないっていう人も多いね。



RO浄水器ならそういった問題も解決できるんだよね?



うん、RO浄水器は逆浸透膜フィルターでウイルスや重金属まで除去できる高性能モデルだよ。でも初期費用は少し高めだから、必要性に応じて選ぼうね!



分かった!ちゃんと管理されてるか確認して、それでも心配ならRO浄水器を検討するね!



それが正解!“心配しすぎず、でも備えはしっかりと”。
バランスが大事なんだよ♪
住人ができること・チェックポイント
1. 管理組合に清掃記録を確認する
→ 年1回の清掃が実施されているか、清掃会社名や実施日を確認しましょう。
2. 貯水槽の外観を観察する
→ 蓋の破損やサビ、動物の侵入跡がないか。
3. 水質に異常を感じたら通報を
→ 変な臭いや濁りがあれば、管理会社を通して水道局にも相談可能。
4. 家庭内での対策も有効
→ 高性能の浄水器(例:RO浄水器)を導入することで、不安を軽減できます。
まとめ
マンションで使われる水の安全性は、建物内に設置された貯水槽の管理状態に大きく左右されます。
どれほど元の水質が良くても、貯水槽の清掃や点検が適切に行われていなければ、水質の劣化や雑菌の繁殖といったリスクが生じる可能性があります。
厚生労働省が定める水質基準を守るためにも、定期的な清掃・点検は不可欠です。
そして、清掃記録や管理状況を確認することは、住民として当然の権利。管理組合に遠慮せず問い合わせてみましょう。
もし不安が残るようであれば、家庭用の浄水器を導入することでリスクを大きく軽減できます。
自分と家族の健康を守るために、水の「管理状況」にもぜひ目を向けてみてください。