
ねぇ、“天然水”ってやっぱり一番安全で健康に良いのよね?



たしかに自然の恵みって聞くと安心しちゃうよね。
でもね、『天然』ってだけで安全だと考えるのは、少し危険なんだ!



えっ、そうなの?だって山の湧き水とか、自然の水は全部きれいなイメージがあるんだけど……。
はじめに
「天然水」という言葉からは、自然の恵み、山や森の中の清らかな水をイメージする人が多いでしょう。その響きから、「水道水よりも安全」「ミネラルが豊富で健康的」といった印象を持たれる方も少なくありません。しかし、果たして本当にそうでしょうか?今回は、天然水の安全性について、科学的な根拠とともに詳しく解説します。
天然水の定義と分類
日本で一般的に「天然水」と呼ばれているものには以下のような分類があります:
- ナチュラルウォーター(natural water):特定の水源から採取された地下水で、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の処理をされていないもの。
- ナチュラルミネラルウォーター:ナチュラルウォーターの中でも、地層中の無機塩類(ミネラル)を含むもの。
- ミネラルウォーター:ナチュラルミネラルウォーターにミネラル調整やブレンド、加熱殺菌などの処理を施したもの。
- ボトルドウォーター:飲用可能な水であれば水道水を含めたどんな水でも該当。
これらの分類は日本の食品衛生法のもとで定められており、特に「ナチュラルミネラルウォーター」と表示される商品は比較的厳格な水源管理がされています。



もちろん、日本の天然水は世界に比べてものすごく安全だし、そんなに心配する必要はないよ。だけど、実は天然水よりも”水道水”の方がルールが厳格と言われているくらいなんだ。



え、天然水ってちゃんと検査されていないの?



最低限のルールはあるし、天然水メーカーも更に厳しい独自の基準でしっかり検査はしているところもあるよ!でも、その基準は各社バラつきがあったりするのが実情なんだ。



どうやったら安全か分かるの?



一般の消費者がパッケージを見ただけでは判断が難しいんだ。大事なのは”天然水”だからではなく、”このメーカーの天然水”だから選ぶというように、どんなメーカーが販売しているものなのか事前に調べておくことが大切なんだ。



天然水だから水道水より安全で、健康に良いんだと思ってた。ショック……。



うん、気持ちはわかるよ。実際に、天然水はちゃんとした基準で採水・管理されている場合が多いし、市販されている天然水は基本的に安心。でも、殺菌処理をしていないタイプもあって、保存状態によっては細菌が繁殖することもあるんだ。
天然水の安全性はどうやって確保されている?
天然水の製造には以下のような安全対策が取られています。
- 水源の定期検査
→ 放射性物質や大腸菌、硝酸性窒素、ヒ素、鉛などの有害物質について定期的に分析されています。 - 加熱殺菌
→ ナチュラルミネラルウォーターを除き、ほとんどの市販製品では加熱殺菌処理が行われています。 - 製造ラインの衛生管理
→ HACCP(危害分析重要管理点)に基づいた衛生管理を実施。 - 出荷前の全数検査
→ 微生物検査、pH、硬度、濁度なども検査されています。



えっ、それはちょっと心配かも……。加熱しないといけないの?



ナチュラルウォーターは加熱していないものもあるから、赤ちゃんのミルクに使うときは必ず一度沸騰させてから使おうね。



わかった!あとは“ミネラル豊富で健康にいい”って思ってたけど、飲みすぎたりするとよくないの?



そうそう。特に硬水はカルシウムやマグネシウムが多くて、お腹がゆるくなる人もいるし、腎臓が弱い人には注意が必要なんだ。赤ちゃんや高齢者には“軟水”が推奨されてるよ。
それでもリスクはある?
はい、いくつかのリスクも存在します。
① 細菌の混入リスク
天然水は、採水時点で加熱処理を行わないものもあり、常温保存中に菌が繁殖する可能性があります。特にナチュラルウォーター系は要注意。
② ミネラルの過剰摂取
カルシウムやマグネシウムの過剰摂取によるお腹の不調が一部で報告されています。特に硬水に弱い乳幼児や腎機能が低下している方は注意が必要です。
③ 災害時には保管状況に注意
地震や停電などの際、加熱殺菌をしていない天然水を常温で長期間保管していると、雑菌が繁殖するリスクも。



なるほど~。やっぱりちゃんと理解して飲まないとね。



そうだね。大事なのは“天然”かどうかより、“管理されてるかどうか”なんだ。安全な天然水は素晴らしいけど、情報を正しく選ぶことが一番の安全策だよ♪
まとめ
「天然水=安全」とは限りません。
すべての天然水が厳格な基準を満たしているわけではなく、水質基準の遵守や殺菌処理の有無を確認することが大切です。
特に赤ちゃんや高齢者など体が敏感な方には、軟水かつ加熱処理済みの水が安心。
購入前には、採水地の管理体制やブランドの信頼性にも注目しましょう。